急須と茶壺
よく茶を飲むが、その度ごとに淹れている。
朝食に米を食べる日は勿論、睡眠前に毎晩飲んでいる。
煎茶や烏龍茶など、淡いものが好みだが、焙じ茶の様な香りもいい。
手元には三つの道具がある。
そんなに要らないと思うかもしれないが、私なりの使い分けがある。
清水焼、500ml。
焙じ茶や水出しなど、一度にたくさん淹れるときに使う。
磁器は色がいい。青の染め付けも綺麗だが、この乳白色も美しい。
蓋に付いた人形は「一閑人」という。少しく間抜けた表情で可愛らしい。
この急須の作家が好きで、他にもいくつか持っている。
京都の五条では、お盆頃に陶器市が開かれる。暑いわ台風が来るわでまともに続くことがほとんど無いが、行くたびに何かしら荷物が増える。これもそこで買った。今年はあるのだろうか。
宜興紫砂の茶壺、150ml。
陶器だが、淡い煎茶から香り高い烏龍茶まで色々淹れている。
中国留学先、西安で買った。400円ほど。
量産品で作りは甘いが、取っ手や口の細工が気に入った。
向こうでは急須を「茶壺」という。中国の国語辞典によれば、急須は「煮茶、暖酒器名。」だそうで、日本の百科事典にも似たようなことが書いてある。
宜興紫砂の茶壺、70ml。
専ら淡白な烏龍茶を淹れている。
先と同じ折に買ったが、こちらは手製。よくできている。
ただ、一人で楽しむには大きい。半分ぐらいが丁度だろう。
実家にあと二つ、華美で大きい急須と小さな蓋碗がある。
前者はデカンタ、後者は紅茶に用いる。
急須で淹れた茶はおいしい。自宅で楽しむのにいい趣味だと思う。