デニムのこと、Nudie Jeans の場合
一つのものを使い続ける癖があるが、丁寧な暮らしを目指しているわけではない。
むしろ、そういう商品は理想の押し売りに見えるので、避けている。
「良いものを長く使いたい」と思うが、それより「手放したくない」のだ。
結果として、選ぶものは丈夫で修理が効くものになる。
その例を一つ、手持ちで最も古い服を。
Nudie Jeans の TUBE KELLY、廃盤、2インチアップ。
手にしたのは8年前、高校生だった。
服には興味がなかったが、着心地の良さに惹かれた。
当時は硬いコットンパンツか、制服のトラウザーズしか持っていなかったと思う。
制服ばかり着ていたが、私服の時は必ず履いた。
大学ではラルフローレンのボタンダウンに合わせていた。
リンスのモデルだが、いつの間にか色が落ちていた。
数年前から傷みが目立ち、破れてからは修理屋の世話になっている。
裾は折って履いていたが、折り目に穴が開いたので貼付け加工を頼んだ。
痕跡が見えない。
腕のいい職人に出会えたと思う。
バックステッチは切った、そういうブランドアイコンは排除したい。
レザーパッチも要らないが、革なのでそのままにしている。
ポケットは使わないので、修理せずにいる。
生地は綿98。
ストレッチが入ると痛みが早いと思っていたが、後から買った綿100のジーンズより丈夫な気がする。修理も少ない。
洗濯は手洗い、面倒なときは洗濯機。
たかが作業着、ぐらいの気持ちで扱っている。
いつしか生地はクタクタ、細部はボロボロに。おかげで気兼ねなく履ける。
メーカーの言う「第二の肌」とはこういうことか。
「一生モノ」が氾濫する昨今だが、そんなものは結果論だ。
買うときに考えることではない。
このジーンズは長く履いている、それだけのことだ。
編集後記はこちら
https://note.com/teddist/n/ncde2a76cd957